研究テーマ

【研究テーマの概要】

ソフトウェアが持つ可能性を最大限に引き出し、ビジネスをより良く変革するための仕組みを研究しています。 特にビジネス領域に特化したソフトウェアを対象とし、企業活動における課題解決や価値創出を支えるアプローチを探求しています。

具体的には、
・開発手法の最適化(モデリングアプローチの深化)
・IT技術の応用と実装方法の検討
・ビジネス要件に適合するシステム設計の研究

といった観点から、ビジネス環境に最適化されたソフトウェア活用のあり方を追求しています。

【研究の背景】

ITシステムは日々進化を続けています。しかし現場のソフトウェア開発に目を向けると、一度構築されたシステムは容易に再構築されず、時間とともにレガシー化していくのが実態です。これは新たな技術やビジネス要件への適応を妨げ、システム進化の大きな制約となっています。

一方、社会全体で共通性の高い業務領域では標準化が進み、大手ITベンダーによる寡占的なサービスへと置き換わりつつあります。この結果、革新的なビジネスを立ち上げようとする企業にとっては、既存サービスとの整合性や高コスト構造が障壁となり、アイデアの実現までのハードルが高くなっています。

こうした状況においては、共通業務についてはコストパフォーマンスの高いサービスを柔軟に選択しつつ、自社のビジネスを駆動する中核システムは、必要に応じて何度でも再構築できることが重要です。ビジネスイノベーションを継続的に生み出すためには、変化に強く、再構築可能なソフトウェア開発アプローチと、そのための仕組みが求められます。

本研究では、このような課題を解決するための開発手法やシステム構築のあり方を探求します。

【研究テーマの詳細】

本研究では、次の3点を中心に取り組みます。

(1)開発手法の最適化 ビジネスモデリングにおいて、MDA(モデルドリブンアーキテクチャ)と第一原理主義の考え方を取り入れ、実現したいビジネス像をシンプルかつ明確に可視化します。 そのうえで、可視化したビジネスモデルとITで実現するための技術モデルを照合し、あるべきゴールへ向けた最適な開発アプローチを探求します。

(2)IT実装プロセスの高度化 モデリングによって導かれるシステム要件から、AIを活用してシステム仕様を自動的に導出し、ビジネスルールや業務インターフェイス(UI、システム間連携)を決定できる仕組みを構築します。 さらに、得られた仕様からソフトウェアを自動生成することを目指しつつ、ローコードによる柔軟なカスタマイズも可能とするアーキテクチャを検討します。

(3)進化し続けるシステムライフサイクルの実現 開発後のシステム運用において、成果のフォローアップや課題分析を通じて、次のIT化アイデアへとつなげる方法論を研究します。 これにより、「作って終わり」ではなく、継続的に進化し続けるITシステムの実現を目指します。

研究の目的・意義

研究のアプローチ(MDA、AI生成、再構築可能なアーキテクチャなど)